親権と養育費について
「妻とは離婚したいと考えているが、子どものことは愛しており、一緒に暮らし続けたいと思う。父親が親権者となるのは難しくだろうか。」
「夫と離婚することになったが、子どもがまだ幼いため、経済的に不安だ。養育費はきちんと支払い続けてもらうことができるだろうか。」
子どもがいる夫婦の離婚では、このようなお悩みの方が数多くいらっしゃいます。
このページでは、離婚問題にまつわる数多くのキーワードのなかから、親権と養育費について、くわしくご説明してまいります。
■親権とは
親権について、親が子どもと暮らし続けることができる権利だと誤解されていらっしゃる方がいます。
あくまでも、子どもと暮らすことができるのは親権の一側面でしかありません。
親権とは、子どもために親が行使することができる権利のことをさします。
本来であれば、人間は自分自身を守るために権利を行使します。
しかしながら、子どもはその能力が大人と比べて不十分であるため、親が子ども自身にかわり子どもを守るために権利を行使することができるのです。
親権には、身上監護権と、財産管理権の2つの権利が含まれています。
身上監護権とは、子どもを叱る懲戒権を含めて子どもの身の回りの世話を行う権利のことをさしています。
財産管理権とは、文字通り子どもの財産面を管理する権利のことをさしています。
身上監護権と財産管理権は、基本的に分けて考えられることはありませんが、場合によっては父親と母親がそれぞれの権利を持つことがあります。
■養育費
一般的に養育費とは、離婚後も子どもと一緒に暮らす側の親(多くの場合で親権者)に対して、離婚により子どもと離れて暮らす側の親が、子どもの成長のために継続的に支払うお金のことをさします。
養育費には、子どもの食費、光熱費、衣服代、教育費などが含まれており、子どもの成長にとって非常に重要なお金です。
協議離婚では、養育費の金額について夫婦間で合意により決めることができます。
離婚裁判などを行う家庭裁判所では、養育費算定表という表を用いて、養育費を算定します。
養育費算定表は、子どもを養育する側としない側の収入、子どもの年齢や数などにより、一目でどの程度養育費を負担すべきなのかが分かるものとなっています。
養育費は、子どもが成人するまで支払いが続きます。
近年は、高等教育機関への進学率向上に伴い、子どもが高等教育機関を修了し、社会的に自立するまで養育費の支払いが認められるというケースも増えています。
そのため養育費は不払いの問題など、離婚後の非常に長い期間付き合っていかなければなりません。
離婚相手が再婚後、養育費の支払いがストップするといったケースは、多々あります。
今年施行予定の改正民事執行法により、養育費の支払いについて定めた公正証書があれば、離婚相手の財産について開示請求できる、離婚相手の勤務先などについて情報を得ることができる、といったことが可能になります。
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