交通事故によるむちうち｜後から症状が出てきたらどうする？
交通事故で怪我を負ってしまった場合には、相手方に対して慰謝料を請求することが可能となっています。
しかしながら、一部のケガや症状に関しては、事故直後には痛みなどがなく、物損事故として処理してしまったにもかかわらず、後になって痛みが出てくるといったことが少なくありません。
当記事では、交通事故によるむちうちや後から症状が出てきた場合の対応についてご紹介をしていきます。
交通事故によるむちうち
交通事故が起きた際にもっとも多い怪我の一つにむちうちがあります。
追突事故で大きな衝撃がかかり、頭部が前後に振れるとむちうちを発症してしまうことがあります。
主な症状の内容としては、痛みやしびれ、めまいなどがあり、事故から数日後に発症するということもあります。
交通事故で怪我をしてしまい、相手方に慰謝料請求をする場合には、怪我があったことを証明するために、検査結果や診断書が必要となります。
そのため、症状が出てきた場合には、直ちに整形外科に向かい、どのような状態にあるかを検査する必要があります。
ここですぐに病院に向かわなかった場合には、むちうちが交通事故が原因で発症したものであるといった因果関係を証明することが難しくなる場合があります。
そのため、些細な症状であっても病院にて検査を受けることをおすすめしています。
物損事故から人身事故への切り替え
上記でも説明しましたが、交通事故直後は症状がなく、物損事故として処理した後に、むちうちを発症してしまうということがあります。
物損事故から人身事故に切り替えるには、少し細かい手順が必要となるため、詳しく解説をしていきます。
・病院で診断書をもらう
上記でも説明しましたが、症状が出た場合には、直ちに病院へと向かい、診断書を作成してもらう必要があります。
物損事故から人身事故へ切り替えるかどうかを判断するのは、警察となります。
そのため、診断書は警察が判断する上で重要な資料となるため、必ず病院でもらっておく必要があります。
また、上記でも説明したとおり、受診日が交通事故の発生日から離れてしまっている場合には、事故と症状に因果関係がないと判断され、切り替えを拒否されてしまう可能性がある点には注意が必要となります。
・事故現場を管轄する警察署に診断書の提出を行う
診断書が用意できたら、警察の事故担当者に診断書を提出して、人身事故への切り替えを依頼します。
また、診断書以外にも資料の提出を求められた場合には、それらの資料を収集し、提出する必要があります。
・人身事故としての捜査が開始
警察は、人身事故への切り替えを決定すると、人身事故としての捜査を開始します。
具体的には、被害者と加害者双方から事故状況の聴取を行ったり、関係者への取り調べや事故現場の実況見分を行います。
実況見分調書は、事故がどのようなものであったかを立証するために重要な資料となるため、立ち会った際には、できる限り記憶に従って詳細に説明をすることが求められます。
後遺症が残った場合
後遺症が残った場合、後遺障害等級認定を取得すれば、慰謝料とは別に後遺障害慰謝料を請求することが可能となっています。
医師がこれ以上治療を続けても症状が改善することがないと判断すると、症状固定という診断をされます。
症状固定の診断を受けてもなお、しびれや痛みなどの何かしらの症状がある場合には、後遺症が残った状態といえます。
後遺障害慰謝料を請求するためには、医師から後遺障害診断書をもらい、後遺障害等級認定を受ける必要があります。
これは医師自らが作成するものではなく、書式を患者側が用意し、作成を依頼するものとなっています。
後遺障害診断書を作成してもらったら、後遺障害等級認定を受けるために、後遺障害等級認定の申請を行うこととなります。
申請によって後遺障害等級認定を受けると、相手方に後遺障害慰謝料を請求することが可能となります。
後遺障害慰謝料は、この認定された後遺障害等級によって金額が変わってきます。
後遺障害等級は1〜14級までがあり、小さい数字ほど後遺症の程度が大きいものとなっており、その分慰謝料の額も大きくなります。
むちうちで認定される後遺障害等級は12級と14級となっています。
交通事故を弁護士に依頼するメリット
交通事故の被害にあった際に、示談交渉を弁護士に依頼するメリットは多数あります。
その中でももっとも大きなメリットは、慰謝料の増額を見込めるという点です。
示談交渉を行う際に、提示される慰謝料は相手方の保険会社が独自の算出基準を用いて導き出したものとなっています。
しかしながら、この額については被害者救済という点では十分な額とはいえません。
そこで、弁護士に示談交渉を依頼すると、弁護士は過去の裁判例から妥当な金額を調査し、その額を用いて交渉を行うため、慰謝料が増額できる可能性が非常に高くなります。
また、後遺障害等級認定を受ける際に、医師に書いてもらう後遺障害診断書に記載すべき重要ポイントのアドバイスをしたり、医師が後遺障害診断書を書いた後でも、認定を受ける上で十分な内容であるかどうかというチェックをしてもらうこともできます。
後遺障害診断書は、医師が書いたから問題ないかというと実はそうではなく、あくまで医師は医療技術のプロであり、書面作成についてはプロではありません。
そこで、医師からもらった後遺障害診断書を弁護士にチェックしてもらうことで、適切な後遺障害等級の認定につなげることが可能となります。
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